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賃上げ率5.12%、中小も5.03%超え!2026年春闘の全貌

連合の2026年春闘第2次集計で、ベースアップ+定期昇給の賃上げ率が平均5.12%に達した。中小企業(組合員300人未満)でも初めて5%超となる5.03%を記録し、3年連続で5%台を維持。人手不足と経済好況を背景に、賃上げが日本全体に定着しつつある。

連合2次集計で5.12%確定——「5%以上」目標を死守

2026年3月27日、連合(日本労働組合総連合会)は2026年春季生活闘争(春闘)の第2次集計結果を発表した。ベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率は平均5.12%(賃上げ額:平均1万7,137円)となり、連合が目標に掲げていた「5%以上」を確保した。

1次集計時点の5.26%から若干下方修正されたものの、3年連続で5%台を維持するという歴史的な結果となった。発表後の会見で芳野友子会長は「中小組合も非常に健闘している」と述べ、賃上げの広がりを評価した。

この結果は、2024年(5.10%)・2025年(5.25%)と続いてきた高水準の賃上げ基調が揺らいでいないことを示すものであり、日本経済が「賃上げが当たり前の時代」へと構造的に移行しつつあることを強く印象づけるニュースとなっている。

注目データ:2026年春闘の具体的な数字

今回の第2次集計(2026年3月24日午後5時時点)の主要データは以下の通りだ。

  • 対象組合数:1,506組合(平均賃金方式で回答を引き出した組合)
  • 全体の賃上げ率:5.12%(賃上げ額 平均1万7,137円)
  • ベアのみ(明確に区別できる1,294組合):3.62%(額:1万2,177円)
  • 中小企業(組合員300人未満):5.03%(初の5%超え
  • 1次集計時点の全体賃上げ率:5.26%

特筆すべきは中小企業の賃上げ率が5.03%と初めて5%の大台を超えた点だ。時事通信の報道によれば、第1次集計の段階で組合員300人未満の中小労組は5.05%を記録しており、第2次集計でも5.03%と高水準を維持した。

賃上げ率の推移:30年の沈黙を破った転換点

日本の賃上げ率がどれほど劇的に変化したかを理解するには、過去との比較が不可欠だ。

  • 2020年〜2022年:約1.8〜2.0%台でほぼ横ばい(コロナ禍の影響)
  • 2023年:3.58%へと急上昇(物価上昇・人手不足が背景)
  • 2024年:5.10%(1991年以来、33年ぶりの5%超え)
  • 2025年:5.25%(1991年の5.66%以来34年ぶりの高水準)
  • 2026年(2次集計):5.12%(3年連続5%台を達成)

この流れは、単なる景気循環を超えた「構造的な賃上げ」の定着を示している。2023年を転換点に、日本の労働市場は「賃金が上がらない国」から「毎年5%程度の賃上げが常態化する国」へと様変わりしつつある。

なぜ賃上げが続くのか——2つの構造的要因

①深刻な人手不足と「採用・定着」競争の激化

みずほリサーチ&テクノロジーズの分析によれば、日銀短観における雇用人員判断DI(全産業・全規模)の人手不足を表すマイナス幅がバブル期以来の水準まで拡大している。少子高齢化による生産年齢人口の減少と、働き方改革による労働時間の短縮という構造的な変化が主因であり、人手不足は今後も解消しない可能性が高いとされる。

帝国データバンクの2026年度賃金動向調査によると、賃上げの理由として「労働力の定着・確保」が74.3%でトップとなっており、「賃上げをしなければ人が辞める・採用できない」という強い危機感が企業側にも浸透していることが明らかだ。

②「賃上げノルム」の変化——コストから投資へ

企業にとって賃上げが単なる「コスト」ではなく「人への投資」として位置づけられるようになってきた。この意識変化を専門家は「賃上げノルム」の定着と呼ぶ。帝国データバンクの調査では、2026年度にベースアップを実施する企業は58.3%に上り、5年連続で過去最高を更新した。

ビジネス視点:企業・経営者にとっての意味

5%超の賃上げが「常態化」しつつある中、経営者が直面する課題と戦略的対応を整理しよう。

大企業:人材獲得競争が一段と激化

大手企業では満額回答が続出しており、初任給引き上げ競争も過熱している。ゼンショーHDは平均12.22%の大幅賃上げと初任給30万円を断行。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は2026年4月入社の初任給を42.5万円に引き上げるなど、GAFAなど外資系テック企業との人材獲得競争が本格化している。

中小企業:価格転嫁が経営の生命線

中小企業庁の調査によると、中小企業の価格転嫁率は全体で53.5%にとどまり、労務費に限った転嫁率はわずか50.0%という実態が報告されている。つまり人件費増の半分を自社で吸収しなければならない状況だ。

東京商工リサーチによると、2025年の人手不足倒産は397件で過去最高となっており、うち251件が資本金1,000万円未満の小規模企業・零細企業だ。賃上げできなければ人材が流出し、事業継続に支障をきたすというジレンマが深刻化している。

「経常赤字の企業でも3%超の賃上げを実施しているケースが報告されている。これは『余裕があるから上げる』のではなく、『上げなければ人が集まらないから、赤字でも上げざるを得ない』という切迫した状況を反映している」(各種業界調査より)

消費者・生活者視点:賃上げは生活を豊かにするか?

5%超の賃上げが続く一方で、消費者・生活者の視点からは手放しで喜べない現実もある。

毎月勤労統計調査によると、2023年以降で名目賃金は上昇しているが、物価上昇分を除いた実質賃金は下がり続けてきた。賃上げで受け取る給与の金額は増えても、物価上昇により実際に購入できる量が減っているというケースが続いていたためだ。

ただし、2026年1月の毎月勤労統計では実質賃金がプラスに転化しており、いよいよ「名目・実質ともに改善」の局面が近づきつつある。2026年春闘でも「実質賃金のプラス定着」が最重要テーマとして掲げられている。

また、最低賃金についても、2025年10月から全国加重平均が1,121円となり、前年比6.3%(66円)引き上げと過去最高の上昇率を記録した。全都道府県で1,000円を超え、地方経済における低賃金労働者の底上げも着実に進んでいる。

専門家の見解

第一生命経済研究所の新家義貴氏は、2026年の春闘賃上げ率(厚生労働省「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」ベース)を5.45%と予測(連合集計ベースで5.20%)し、「3年連続で5%台の賃上げが実現する公算が大きい」と分析している。

大和総研も連合集計ベースで5.3%と見込む一方、中小企業に対しては「賃上げ疲れ」への警戒を呼びかけている。外部環境(トランプ関税、中東情勢等)が悪化した場合、中小企業の賃上げ率が下振れするリスクがあると指摘している。

財務省ファイナンシャル・アドバイザーの山崎俊輔氏(フィナンシャル・ウィズダム)も「注目されるのは、必ずしも労働組合を持たない中小企業の賃上げだ。会社員の多くは中小企業で働いており、中小企業の賃上げが期待されている」と指摘する。

経団連も「賃金引き上げの力強いモメンタム(勢い)をさらに定着させるべく、社会的責務として先導役を果たす」という立場を表明しており、官民が一体となって賃上げを推進する構図が強まっている。

国際比較:世界の賃上げ動向との比較

日本の5%超の賃上げは、国際的に見てもひとつの転換点といえる。欧米主要国では2021〜2023年に物価急騰に対応した大幅賃上げが行われたが、その後はインフレの沈静化に伴い賃上げペースが鈍化しつつある。

一方、日本は「失われた30年」の賃金停滞を取り戻す局面にあり、欧米の「賃上げ縮小」局面とは逆の動きを見せている。これは日本が構造的な「賃金デフレ」から脱却する過程にあることを示しており、日銀も利上げ判断の根拠のひとつとして賃上げの持続性を重視している。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が初任給42.5万円を提示した背景には、GAFA等の外資系テック企業と競合する高度エンジニア確保のため、世界基準の待遇を提示するという戦略があり、グローバルな人材獲得競争が日本の賃上げを後押しする側面も無視できない。

今後の展望:注目すべき4つのポイント

①中小企業への波及深度

2次集計での中小企業5.03%は歴史的な成果だが、連合の目標「6%以上」にはまだ約1ポイントの乖離がある。集計が進むにつれて中小企業の数字がどう推移するか、最終集計の結果が注目される。

②実質賃金のプラス定着

2026年1月に実質賃金がプラス転化したが、原油価格高騰などの要因で4月以降に再びマイナス転化するリスクも指摘されている。名目賃上げが物価上昇を継続して上回れるかが、生活者にとっての最大の焦点だ。

③日銀の金融政策への影響

賃上げの持続性は、日銀の追加利上げ判断に直結する。3年連続5%超の賃上げが確認されれば、2026年度中の追加利上げ実施の可能性が高まるとみられる。

④最低賃金の引き上げと「2020年代に1,500円」目標

政府は「2020年代に最低賃金を全国平均1,500円」という目標を掲げており、年率5〜6%の引き上げが続く見通しだ。特にパート・アルバイト等の非正規雇用者にとっては、この動きが生活改善に直結する重要テーマとなる。

まとめ:この記事の3つのポイント

  • 【歴史的3年連続5%超】連合2026年春闘2次集計で賃上げ率5.12%を確認。2024年・2025年に続き3年連続5%台を達成し、バブル期以来の高水準が定着しつつある。
  • 【中小企業の躍進】組合員300人未満の中小企業でも賃上げ率5.03%と初めて5%を突破。「賃上げは大企業だけ」という従来の構図が崩れ、全国規模での賃上げ浸透が進んでいる。
  • 【課題は実質賃金と価格転嫁】名目賃上げが進む一方、中小企業の労務費転嫁率は50%にとどまる。実質賃金の継続的プラス定着と、サプライチェーン全体での価格転嫁の実現が今後の最大課題となる。

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著者プロフィール

伊東雄歩(いとうゆうほ) / ゆぽゆぽ

株式会社ウォーカー代表取締役 / MENSA会員 / NLPマスタープラクティショナー

IQ130超のADHD経営者。「社会不適合」ゆえに会社員を2年で挫折し、フリーランスを経由せずいきなり起業。訴訟4回、2000万円の損失、役員の裏切り、オフショア開発の地獄を乗り越え10年生き残る。心理学・教育学に1000万円投資し、独自の「成長力学」を確立。現在は生成AI教育に注力し、「3年を2日に変える」AIプログラミング2Daysキャンプを全国展開中。AIフレンズコミュニティを運営。

夢は「世界征服」——世界の常識を変え、新しい価値観を提示すること。

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