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UberとPony.aiが欧州で2000台超のロボタクシ展開へ

UberとPony.aiが2025年5月の戦略的提携を拡大し、欧州5都市以上に2000台超のロボタクシを展開する計画を発表。クロアチア・ザグレブでの欧州初商業ロボタクシサービスを皮切りに、自動運転Level 4技術の大規模商用化が加速。自動運転産業の実運用フェーズへの移行と規制整備の最前線を解説。

欧州の移動体験が変わる——UberとPony.aiが2000台超のロボタクシ展開を発表

2026年8月14日、自動運転技術の商用化において世界をリードする中国発スタートアップPony.ai(ナスダック:PONY)と、世界最大のライドシェアプラットフォームを運営するUber Technologies(NYSE:UBER)は、欧州における戦略的パートナーシップの大幅拡大を正式発表した。その規模は2000台以上のロボタクシを欧州全域に展開するという、自動運転産業の歴史上でも類を見ない野心的な計画だ。

自動運転車はかつて「近未来の夢」として語られ続けてきた。だがいまや、ザグレブの街角でPony.aiのロボタクシが実際に客を乗せ、料金を受け取り、目的地まで届けている。この現実は、業界のパラダイムシフトを象徴している。欧州市場における本格的な自動運転モビリティ時代の幕開けを告げるこの発表が、なぜ今重要なのかを詳しく解説する。

発表の詳細:何が決まり、何が未定なのか

パートナーシップ拡大の背景

Pony.aiとUberは2025年5月から協業を開始しており、すでにクロアチアの首都ザグレブで商業ロボタクシサービスを運営している。両社はこのサービスを「欧州初の商業ロボタクシサービス」と称しており、現地モビリティ企業のVerneが地元のフリートオーナー兼オペレーターとして参画している。

今回の発表では、Pony.aiとUberが欧州に2000台超のPony.aiロボタクシを展開するために戦略的パートナーシップを拡大することが正式に確認され、ザグレブでの既存商業サービスをUberプラットフォームに統合した上で、さらに4都市への展開を目指す。

ただし、次の展開都市名や具体的なローンチスケジュールは明かされておらず、詳細は段階的に発表される予定だという。また、今回の拡大パートナーシップには中東への展開計画も含まれている。

役割分担と「三位一体」モデル

今回の拡大合意はPony.aiの共同展開モデルに商業規模への明確な道筋を与えるもので、そのモデルはロボタクシサービスを大規模に運営するために必要な3つのコア機能——Level 4自動運転技術、主要なモビリティプラットフォーム、そして日常的なフリート運営——を統合するものだ。

各社の具体的な役割は以下のとおりだ。

  • Pony.ai:L4自動運転技術、乗客体験システム、大規模ロボタクシ展開を通じて培った運用ノウハウを提供する。
  • Uber:プラットフォームを通じて予約・決済・カスタマーサービスを担う。
  • 現地フリートパートナー:市場によって車両の資金調達・所有・日常的な運営を担う。ザグレブではVerneが車両を所有・運営し、Pony.aiが自動運転技術を提供、Uberがプラットフォームを通じてサービスと顧客をつなぐ形となっている。

Pony.aiの技術的優位性:Gen-7ロボタクシと「Virtual Driver」

第7世代自動運転システムの実力

Pony.aiは2025年4月、上海国際自動車産業博覧会(上海モーターショー)においてトヨタ、BAIC(北京汽車集団)、GAC(広州汽車集団)との協力のもと、第7世代(Gen-7)自動運転システムとロボタクシラインナップを初公開した。

Gen-7システムは100%自動車グレードの自動運転キット(ADK)を採用し、前世代比で部品材料費(BOM)を合計70%削減することに成功。自動運転演算(ADC)は80%減、ソリッドステートLiDARは68%減という大幅なコスト改善を実現している。

2025年7月にはGen-7ロボタクシが複数モデルで量産を開始し、路上テストも始動。2025年末までに1000台規模のフリートへ拡大するという目標に向けて、大規模な商業展開の基盤を整えた。

欧州テスト拠点の確立

Pony.aiは2025年4月、ルクセンブルク交通・公共事業省からLevel 4(L4)ロボタクシテストの許可を取得し、ルクセンブルクに欧州初の専用研究・テストハブを設立。自動運転車企業として同国に研究開発拠点を置く初の事例となった。

欧州での自動運転車テストはルクセンブルクの主要モビリティソリューションプロバイダーであるEmile Weberとのパートナーシップのもとで実施される。

ビジネス視点:企業・経営者にとっての意味

Pony.aiの収益モデルと「損益分岐点達成」の実績

Pony.aiは中国の4大都市で有料の完全無人ロボタクシサービスを運営しており、複数の市場において都市全体での損益分岐点(ブレークイーン)を達成していると発表。商業的に持続可能なモデルの実現可能性を実証している。

今回のUberとの拡大パートナーシップはPony.aiにとって成長戦略のさらなる進化を意味しており、新市場への継続的な拡大と地域規模でのフリート展開を組み合わせるものだ。

Uberの自動運転戦略における欧州の位置づけ

Uberは欧州全域で自動運転車パートナーシップの拡大を続けており、イスラエルのAIスタートアップAutobrains TechnologiesとNVIDIAとともにミュンヘンでロボタクシプログラムを発表。欧州大陸における自動運転ライドヘイリングへの初進出を果たしている。

また別途、UberとWayveはロンドン交通局(Transport for London)がWayveの一部車両にプライベートハイヤー(個人輸送)ライセンスを付与したことで、ロンドンでの有人監視型自動運転ライドの規制当局承認を取得している。

消費者・生活者視点:一般市民への影響

Uberアプリから「ロボタクシ」を選ぶ時代へ

利用者がUberアプリで対象の乗車リクエストを行うと、Pony.aiの自動運転車がトリップを担当するオプションが提示される仕組みとなっている。

Level 4の自動運転においては、定義された運用エリア内であれば人間の介入なしに車両が完全自律的に動作することができる。つまり、ハンドルを握るドライバーが誰もいない車に乗って目的地まで移動するという体験が、欧州の一般市民にとっても現実のものとなりつつある。

消費者にとっての主なメリットと懸念点は以下のとおりだ。

  • 安全性の向上:人的ミスに起因する交通事故リスクの低減が期待される。
  • コスト削減の可能性:ドライバー人件費を排除することで、長期的にライドシェア料金が下がる可能性がある。
  • 24時間365日の安定したサービス:疲労や体調不良による運転品質のムラがなくなる。
  • プライバシーと信頼性への懸念:自動運転システムへの信頼構築、データ収集の透明性確保が課題。

専門家の見解:業界が語る「本当の意義」

Pony.aiのCEOであるDr. James Pengは「Pony.aiの実証済み自動運転技術・運用ノウハウと、Uberのグローバルモビリティプラットフォーム・広範な市場リーチを組み合わせることで、欧州及びその先において大規模で持続可能な商業運営を構築することを目指す」と述べた。

Dr. James Pengは第7世代システムの発表時にも「2025年はPony.aiの量産ロボタクシの元年」と位置付け、「スケールされた生産の実現には技術的準備、製品統合、運用能力の洗練という3つの基盤が不可欠」と強調した。

国際比較:欧州・中国・米国の自動運転展開状況

中国での実績

Pony.aiはすでに北京・広州・上海・深圳という中国の主要都市において、有料の完全無人ロボタクシサービスを運営している。中国市場では規制当局の承認取得が相対的に速く、商業サービスの先行展開において世界をリードしている状況だ。

深圳での展開について見ると、Pony.aiは深圳市最大のタクシー事業者である希壺集団(Xihu Group)との戦略的パートナーシップを締結し、同市にGen-7ロボタクシ1000台超を共同展開することを発表。これは国内外での大規模展開を並行して進める同社の戦略を示している。

米国・欧州との競合状況

Alphabetが出資するWaymoは約5000台を主に米国で運用しており、中国の百度Apollo GoやWeRideも欧州市場への進出を本格化させている。競合他社との比較においても、UberというグローバルなB2C接点を持つPony.aiの今回の展開戦略は独自性が高い。

今後の展望:注目すべき3つのポイント

①次の4都市はどこか

パートナーシップの次段階ではさらに4都市への展開が予定されているが、都市名は非公開のまま。2000台超の展開に向けた具体的なタイムラインも明示されていない。業界関係者の間では、フランクフルト、パリ、アムステルダム、ドバイなどが候補として挙がっているが、公式発表を待つ必要がある。

②規制環境の整備がカギ

欧州では国ごとに自動運転車に関する規制が異なり、商業展開には各国当局との個別交渉が必要となる。Pony.aiがルクセンブルク当局からL4ロボタクシテスト許可を取得した事例は、こうした規制のハードルを一つひとつ乗り越えてきた証左だ。今後、欧州連合(EU)レベルでの統一規制整備が進むか否かが、展開スピードを大きく左右する。

③中東への拡張も視野に

パートナーシップは今後、中東の主要市場でも展開が予定されており、さらなる国際市場への拡大が見込まれる。中東では高所得者層の多い都市部での需要が期待され、規制当局も自動運転に前向きな姿勢を示す国が多い。

まとめ:この動きが示す3つの本質

  • 自動運転の「実運用フェーズ」が欧州に到達:ザグレブでの商業サービス開始と2000台計画は、自動運転が実験段階から商業段階へと本格移行したことを示す歴史的マイルストーンである。
  • 「三位一体」モデルが業界標準になる可能性:自動運転技術企業・ライドシェアプラットフォーム・現地フリートパートナーが役割を分担するPony.aiのジョイントデプロイメントモデルは、今後の業界スタンダードとなる可能性を秘めている。
  • 中国発テクノロジーが欧州モビリティを変革:Pony.aiが中国4大都市で培ってきた損益分岐点達成の実績と量産体制は、欧州展開における強力な競争優位となる。自動運転を巡る米中欧の競争は、新たな局面を迎えている。

参考情報


著者プロフィール

伊東雄歩(いとうゆうほ) / ゆぽゆぽ

株式会社ウォーカー代表取締役 / MENSA会員 / NLPマスタープラクティショナー

IQ130超のADHD経営者。「社会不適合」ゆえに会社員を2年で挫折し、フリーランスを経由せずいきなり起業。訴訟4回、2000万円の損失、役員の裏切り、オフショア開発の地獄を乗り越え10年生き残る。心理学・教育学に1000万円投資し、独自の「成長力学」を確立。現在は生成AI教育に注力し、「3年を2日に変える」AIプログラミング2Daysキャンプを全国展開中。AIフレンズコミュニティを運営。

夢は「世界征服」——世界の常識を変え、新しい価値観を提示すること。

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