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Google検索が25年ぶりの大改造、AI時代へ全面刷新

GoogleがGoogle I/Oで発表したAI Mode・情報エージェント機能が、25年以上変わらなかった検索の仕組みを根本から変革。Gemini 2.5搭載のAI検索は月間10億ユーザーを突破し、従来のキーワード型からAI対話型検索へのパラダイムシフトが加速。SEO・デジタルマーケティング戦略の全面見直しが迫られている。

はじめに:25年以上変わらなかった「検索」がついに変わる

私たちが毎日当たり前のように使っている「Google検索」。青いリンクの一覧が表示され、気になるページをクリックして情報を集める——この体験は、Googleが1998年に創業して以来、四半世紀以上ほぼ変わっていなかった。しかし今、その根本が大きく変わろうとしている。

2025年5月のGoogle I/Oで発表された「AI Mode(AIモード)」「情報エージェント機能」は、単なる機能追加ではない。キーワードをタイプしてリンクをクリックするという行動パターンそのものを、AIとの対話によるインタラクティブな体験へと塗り替えようとする、Googleにとって最も野心的な変革だ。ChatGPTやPerplexityなどのAI検索スタートアップが台頭する中、検索市場の覇者・Googleが本気で仕掛けた反撃の全貌を解説する。

Google I/O 2025の主な発表内容

2025年5月に開催されたGoogle I/Oでは、検索に関して以下の主要アップデートが発表された。

  • AI Mode(AIモード)の米国全体展開:Labs(ベータ)登録不要で、米国の全ユーザーへ提供開始
  • Gemini 2.5のSearch統合:AI ModeとAI Overviews(AIによる概要)の両方に最新モデルを搭載
  • Deep Search(ディープサーチ):数百のサイトを横断して詳細なリサーチレポートを生成する機能
  • 情報エージェント(Information Agents):ユーザーの代わりに継続的に情報を監視・通知するエージェント機能
  • Search Live:カメラで映した対象に対してリアルタイムで質問できる機能
  • インタラクティブグラフ生成:スポーツや金融の複雑なデータを視覚化

その後、2025年9月9日には日本語を含む5言語でAI Modeの提供が開始され、180以上の国・地域に展開された。さらに2026年5月のGoogle I/O(I/O 2026)では、次世代モデルGemini 3.5 FlashがAI Modeの新しいデフォルトモデルとして採用されるなど、進化は続いている。

AI Modeとは何か?仕組みと特徴

AI Mode(AIモード)は、GoogleのAI「Gemini」を全面的に活用した対話型検索体験だ。従来の検索が「キーワードを入力→リンク一覧を受け取る」という一方向の情報提供だったのに対し、AI Modeでは自然言語による会話形式で、複雑な質問に包括的な回答が得られる

その核心技術が「クエリファンアウト(Query Fan-out)」だ。

ユーザーの質問をサブトピックに分解し、複数のサブクエリを同時に検索・実行することで、従来のGoogle検索よりはるかに深くウェブを探索できる。(Google公式ブログより)

例えば「コーヒーは健康に良いの?」という質問に対し、AIは「コーヒーの健康効果の研究」「カフェインのリスク」「1日の適切な摂取量」「睡眠への影響」「専門家の見解」など、複数の角度から同時に検索し、総合的な回答を生成する。

AI Modeの主な機能は以下の通りだ。

  • ディープサーチ(Deep Search):数百のサイトを横断して詳細なリサーチレポートを提示(有料会員限定)
  • サーチライブ(Search Live):カメラで映した対象に対してリアルタイム質問が可能
  • エージェント機能:ユーザーの代わりに旅行計画や予約などのタスクを実行
  • パーソナルコンテクスト:GmailやGoogleカレンダーと連携し、個人に最適化された回答を提示
  • グラフ生成:スポーツ・金融などの複雑なデータをインタラクティブに可視化
  • AIショッピング体験:商品選びのサポートやバーチャル試着を提供

驚異的な成長データ:AI検索の普及が加速

GoogleのAI検索は、ユーザーの利用行動を数字で見ても急拡大していることがわかる。

  • AI Mode:月間10億ユーザーを突破し、クエリ数は四半期ごとに2倍以上のペースで増加
  • AI Overviews:月間ユーザー数は20億人に達し、AI Modeとの統合テストも開始
  • Geminiアプリ:月間アクティブユーザーが4億人を突破
  • 検索クエリ長:AI Modeの初期ユーザーは、従来の検索クエリの2〜3倍の長さで質問している
  • AI Overviewsによる検索増加:米国・インドなどの主要市場で、AI Overviewsが表示されるクエリ種で10%以上のGoogle検索利用増加を記録

これらの数字は、AI検索がすでに「実験的な機能」の段階を超え、主流の検索体験として定着しつつあることを示している。

情報エージェントの登場:「検索する」から「AIに任せる」へ

今回の変革で特に注目すべきは、「情報エージェント(Information Agents)」機能だ。これは単なる検索の進化を超え、検索行為そのものを自動化するものだ。

従来の検索は、ユーザーが能動的にキーワードを打ち込む「プル型」の情報収集だった。しかし情報エージェントは、ユーザーが関心のある条件を事前に登録しておくと、AIが継続的にウェブを監視し、条件に合った情報が出現した時点で通知してくれる「プッシュ型」のAIアシスタントだ。

例えば以下のような活用が可能とされている。

  • 引越し先の物件を探している場合、条件を登録しておくと、条件に合う物件が出た際に通知が届く
  • お気に入りのアスリートが新しいスニーカーコラボを発表した瞬間にアラートを受け取る
  • ビジネス上の競合他社の動向を継続的にモニタリングする

この情報エージェント機能は、2025年夏にGoogle AI ProおよびUltra加入者向けから先行展開が予定されている(I/O 2026時点の情報)。

ビジネス視点:企業・経営者にとっての意味

AI検索の本格化は、企業のデジタルマーケティング戦略に根本的な変化をもたらす。

SEOの패 新しい概念「LLMO」が台頭

従来のSEO(検索エンジン最適化)では「検索順位を上げること」が目標だったが、AI時代には「AIに引用・選ばれること」が新たな指標となりつつある。この新しい最適化の概念はLLMO(Large Language Model Optimization)と呼ばれ、AI検索で自社コンテンツを採用してもらうための戦略として注目を集めている。

具体的には以下の対応が求められる。

  1. 構造化データの整備:生成AIに正しく情報を伝えるための技術基盤の強化
  2. E-E-A-Tの強化:一次情報・独自データの発信と権威性の向上
  3. コンテンツの深化:AIが理解・引用しやすい、多角的で深い情報の提供

広告モデルへの影響

広告面でも変化が起きている。米国では2024年10月からAI Overview内への広告掲載が開始され、2025年5月にはデスクトップにも拡大。AI Mode内への広告展開も予定されており、「AIに選ばれるコンテンツ=広告効果も高い」という新しい方程式が生まれつつある。一方、AI Overviewが表示されると、オーガニック流入だけでなく広告のクリック率も低下するという調査結果も報告されており、企業は広告戦略の見直しを迫られている。

Webサイトへの流入減少リスク

AIが検索結果を完結させることで、ユーザーが外部サイトを訪問しなくなる「ゼロクリック問題」も深刻化する可能性がある。特にAI Overviewsの導入後、すでに流入数が減少しているサイトやキーワードが報告されており、AI Modeの普及でこの傾向がさらに顕著になると見られる。

消費者・生活者視点:日常の検索体験はどう変わるか

一般ユーザーにとって、AI検索の普及は検索体験を大きく変える。

  • 複雑な質問が一回で解決:「京都駅出発で6泊7日の旅行プランを立てて」のような長い質問も、一度の検索で包括的な回答が得られるようになる
  • 会話の継続が可能:検索結果を見ながら追加質問を重ねることで、情報を深堀りできる
  • マルチモーダル入力:テキストだけでなく、画像・動画・ファイル・Chromeタブなどを使って検索できる
  • 自動化による手間の削減:情報エージェントが継続監視を担うことで、ユーザーが繰り返し検索する手間が省ける

日本でも2025年9月9日から日本語でのAI Modeが利用可能になった。初期段階では基本的な対話型検索機能が中心だが、順次機能が拡張される見込みだ。

専門家・業界関係者の見解

この変革に対し、業界関係者からはさまざまな見方が示されている。

「AIモード時代のSEOは、技術的なトリックよりも『本質的な信頼性』が問われる。AIが人間の代わりに信頼できるサイトを探してくれるようになった今こそ、本物の専門家としての情報発信が求められている」(SEOコンサルタント・鈴木将司氏)

SEO専門家のLily Ray氏(Amsive)は、AI ModeがGoogle Search ConsoleやGoogle Analytics 4で正確にトラッキングできないという問題を指摘。AI Modeのトラフィックがデータ上は「Direct」や「Other」に分類されてしまい、施策の効果測定が難しくなっているとして、Googleに対し測定ツールの改善を求めている。

Google検索担当VP・Robby Stein氏はX(旧Twitter)上で、AI OverviewsとAI Modeの統合テストについて「どこで、どのように質問するかを考える必要はない。心に浮かんだことを何でも聞けばいい」というビジョンを示した。

国際比較:AI検索競争は世界規模で激化

AI検索をめぐる競争は、Googleだけの話ではない。

  • OpenAI(ChatGPT):ChatGPT SearchやGPT-4oのWeb検索機能を強化し、Googleへの直接的な挑戦を続けている。2025年12月時点ではOpenAI内部で「Code Red」と呼ばれる競争対応体制が敷かれていると報じられた
  • Microsoft(Copilot / Bing):OpenAIとの提携により、AI検索を早期から展開。企業向けCopilot連携で差別化を図る
  • Perplexity AI:AI検索に特化したスタートアップとして急成長。シンプルな対話型UXが好評を博す
  • 欧州市場:Googleは2025年3月26日にドイツなどへAI Overviewsを展開開始。ただし18歳以上のGoogleアカウント保有者限定など、EU規制を考慮した慎重な展開が続く

こうした競争環境の中、Googleは検索市場でのシェア(世界モバイルで約93%)を背景に、AI機能の統合と進化のスピードで先手を打とうとしている。

今後の展望:注目すべき4つのポイント

① 情報エージェントの本格展開

有料プラン向けから先行導入が予定されている情報エージェント機能が、一般ユーザーにどのような形で提供されるかが注目される。「検索する」という行為の概念が根本から変わる可能性がある。

② パーソナライゼーションの深化

GmailやGoogleカレンダーとの連携により、個人の状況に最適化された検索回答が提供される「パーソナルコンテクスト」機能の拡充が見込まれる。プライバシーへの懸念とのバランスが課題となる。

③ 日本市場での本格普及

2025年9月に日本語対応が開始されたAI Modeは、まだ機能展開の初期段階にある。Deep SearchやSearch Live、エージェント機能の日本語対応が進むにつれ、日本のデジタルマーケティング市場にも大きな変化が訪れると予想される。

④ 収益モデルの変革

AI概要内への広告掲載がすでに始まっており、AI Mode内への広告展開も予定されている。「AIに選ばれる広告コンテンツ」という新しい競争軸が生まれ、広告業界全体の戦略転換が加速するだろう。

まとめ:この変革から読み取るべき3つのポイント

  • ① Google検索は「リンク検索」から「AI対話型検索」へ:25年以上続いたキーワード検索の時代が終わりを告げ、Gemini AIが統合されたAI Modeが新しい標準となりつつある。月間10億ユーザーを突破したAI Modeの成長は、この変革が着実に普及していることを示している。
  • ② 企業のデジタル戦略はSEOからLLMOへ:「検索順位を上げる」という従来のSEO思考から、「AIに選ばれるコンテンツを作る(LLMO)」という発想転換が急務だ。一次情報・専門性・信頼性を高めるコンテンツ戦略が、AI時代の競争力の源泉となる。
  • ③ 情報エージェントが「検索」の概念を再定義する:ユーザーが能動的に検索する時代から、AIが自律的に情報を取得・通知する「エージェント型」への移行が始まった。これはGoogle検索のビジネスモデルだけでなく、私たちの情報収集の在り方そのものを変える、歴史的な転換点だ。

参考情報


著者プロフィール

伊東雄歩(いとうゆうほ) / ゆぽゆぽ

株式会社ウォーカー代表取締役 / MENSA会員 / NLPマスタープラクティショナー

IQ130超のADHD経営者。「社会不適合」ゆえに会社員を2年で挫折し、フリーランスを経由せずいきなり起業。訴訟4回、2000万円の損失、役員の裏切り、オフショア開発の地獄を乗り越え10年生き残る。心理学・教育学に1000万円投資し、独自の「成長力学」を確立。現在は生成AI教育に注力し、「3年を2日に変える」AIプログラミング2Daysキャンプを全国展開中。AIフレンズコミュニティを運営。

夢は「世界征服」——世界の常識を変え、新しい価値観を提示すること。

タグ

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